「なぜ総合診療が求められるのか」
現代の医療は近代化により、専門医療が進み高度な医療に発展して参りました。しかし、一方で今日の複雑な高齢化社会では、人を臓器別や疾患別で分類する縦割り的な発想では、病気は診れども患者をみずという事が生じ、沢山の病院や診療科に通院しているばかりか一体どの先生がかかりつけ医で総合的に診てもらっているのか、経済社会的な問題をどうするのかなどが問題になっています。これら全てを受け入れる全人的なマネジメントが出来るいわゆる‘’イチロー型‘’の総合診療医が求められています。総合診療医(ジェネラリスト)は深く掘り下げる専門医(スペシャリスト)と協力連携しお互いが縦糸と横糸のような関係となることを目指し活動しています。
湘南鎌倉総合病院 総合診療科部長 瀬戸 雅美


REASONS
なぜ総合診療なのか
REASONS
01
Whole Person Care
全人的医療の実践
我々の提供する医療の形は常に変化していっています。医学の進歩とともに、今まで分からなかった病態が次々に明らかになってきました。しかし同様に我々人間の生活環境、社会的背景も変わり、病態以上に複雑に疾患と絡み合うこともあります。病を癒すのではなく人を癒すという初心に、我々は戻らねばなりません。専門性を持ちつつ患者に寄り添う医療が求められ、我々総合診療医の得意とする技術です。
REASONS
02
Complex and Complicated Problems
未分化な問題への挑戦
高齢化が進み、様々な疾患、背景を持つ患者さんが増えています。複雑性、多様性を抱えた患者さんが症状を訴えた時、不確実な状況に我々は紐解かなければなりません。医師への心理的負担も大きいと言われていますが、人を癒すためのスキルとして不可欠であり、特に専門性が高くなってきている日本の医療では、我々総合診療医による未分化な問題への挑戦が必要となってきています。
REASONS
03
Flexibility
求められる柔軟性
医療提供にあたり多職種連携は必要不可欠です。患者さんは、病院で治療を受けている人ではなく、地域で生活している人です。人を癒すことは、その人の生活を支えることとなります。医学的知識だけでは解決できない問題が山積みであり、リハビリ、介護サービス、施設や病院との連携など、多くの医療関係者と一緒に対応していく必要があります。総合診療医は、患者さんを中心とした様々な問題点を解決に導くため、時には多職種も交えた柔軟な対応をしていきます。
REASONS
04
Research Mind, Beyond Generation
博学篤志と一樹百獲
医療提供は一人の医師では当然完結できません。専門科との協力を通して高度な医療を提供する必要があり、我々はそのために日々の研鑽を惜しみません。診療科内カンファレンス、他診療科との合同カンファレンス。勉強会を開催し、より良い臨床につながる知識を養います。また後輩指導を通して、縦にも横にもつながりを増やし、継続可能で適切な医療を提供していくよう努めています。
REASONS
05
Community Oriented Primary Care
ヘルスケア拠点としてのまちづくり
医療提供の場面は、病院、クリニックから飛び出ることもあります。地域を癒すため、地域で生活する人々の健康管理にも医師は責任を持ちます。何かしらの健康問題を抱えながらも医療施設へのアクセスなく過ごす方々にも、より良い生活を目指してもらうため、我々は鎌倉市・藤沢市、神奈川県、イノベーションパークと共にまちづくり活動を行なっています。複雑化の進む現代では、真に地域に根ざした医療が求められており、当院総合診療科の部門の一つに置いています。
ACHIEVEMENT
診療実績
2019年 | 2018年 | 2017年 | |
---|---|---|---|
外来患者数 | 38,213名 | 37,967名 | 40,576名 |
入院患者総数 | - | - | - |
PERFORMANCE
業績
学術論文
- 熊谷 知博:語りたい! 総合診療のエビデンス~総合診療医が活躍するフィールドの最新エビデンス(救急外来),2024年9月 Vol. 106 No.9,2024.
- 熊谷 知博:カイ書林メルマガWebマガVol 16 No1 2025年1月30日発行■マンスリー・ジャーナルクラブ,敗血症性ショックに対する適切な血管作動薬のタイミング,2025.
- 山田 拓也:身体所見をとるためのコツとアドバイス.「重症患者が苦手」な研修医へ 集中治療の極意を伝授,2023年5号,2023.
- 山上 浩,熊谷 知博:【Part 2】救急医療と在宅医療をつなぐ!5.在宅医の不得手な領域をサポートする新たな急性期診療体制.BeyondER(ビヨンダー),2023.
- 山田 拓也:第2章 小児フィジカルアセスメントの症候編 2嘔吐.子どもの訴えを見極める ナースのための小児フィジカルアセスメント,12巻,2022.
- 山田 拓也:第8章 皮膚科救急 帯状疱疹.当直ハンドブック,3巻,2021.
- 山田 拓也:第7章 外傷以外の筋骨格の障害 成長痛.当直ハンドブック,3巻,2021.
- 山田 拓也:第7章 外傷以外の筋骨格の障害 疲労骨折.当直ハンドブック,3巻,2021.
- 熊谷 知博:43.腎臓病患者の血圧管理で注意すべき点を教えてください.わかる!できる!腎臓リハビリテーションQ&A,2021.
- 熊谷 知博:35 高血圧緊急症.プロフェッショナル腎臓病学,2020.
- Ryohei Ono, Tomohiro Kumagae, Haruki Uojima, Shinichi Teshima, Madoka Kudo, Izumi Kitagawa,and Masaki Yoshizawa, Hepatic methotrexate-associated lymphoproliferative disorders identified by multiple liver tumors: a case report and review of the literature, Journal of Medical Case Reports 2019; 13: 196.
- 新田 愛、瀬戸 雅美、浜野 久美子:糖尿病コントロール不良の Prader-Willi 症候群の一例、日本内分泌学会雑誌、2008年;84:107-109
学会発表
2025年
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講演会
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