今日の内容
SEEDTIME第224回は、瀬戸先生による「内科チーフレジデント ~研修医教育~」の発表でした。内科チーフの役割定義から当院でのビジョン、業務内容、教育デザイン(レクチャー×実践×振り返り)、そして中間評価までを、具体的なフローやデータでわかりやすく共有。現場で“すぐ活かせる”明確さと、学びを言語化して自己効力感を高める仕組みづくりが印象的でした。
チーフレジデントとは?
米国内科プログラム長会議の定義では、卒後(見込みを含む)の研修医が管理・教育・メンターシップ・カウンセリングを担い、リーダーシップやWell-beingにも関わる役割です。
当院における役割と目標
当院では「安心して学び合い、高め合える研修の場をつくる要」「指導医と研修医の橋渡し」「“教えられる側”から“教える側”への成長支援」を掲げ、①実践的初期対応力の獲得、②メンタルヘルスの早期拾い上げ、③現場の声の伝達を目的に据えています。
教育デザイン:レクチャー×実践×フィードバック
レクチャー(基本編/当直編/病棟管理編)で“考え方”をインプットし、現場でアウトプット。Google Formや当直振り返りで定期的に省察を回し、フィードバックの型(Five Microskills、R2C2 など)を活用して学びを言語化・定着させます。
中間評価から見えた成長
1か月時点の自己評価では、病棟管理の自信度が平均1.375→2.375、病態・臨床推論は1.625→2.25へ上昇。当直編の座学や日々のフィードバックが初動対応の自信形成に寄与した可能性が示唆されました。今後は輸液・電解質・抗菌薬を中心に病棟管理の底上げを図ります。
今日のコメント
今日のディスカッションポイントは、「どんな指導(レクチャー、振り返り)が嬉しいか/避けたいか」と「上級医が教育で意識していること」でした。
- フィードバック重視の方針に強く共感。チーフ自身がその価値に気づけた点が素晴らしい。
- 症例ベースの振り返り→助言→ミニレクチャーの流れが効果的。教える“タイミング合わせ”が鍵。
- 学習者の“今知りたいこと”を起点にテーマ設定を。ニーズ把握が学びの深さを左右する。
Take home message
- 現場で“すぐ使える明確さ”と“考え方の言語化”を両輪に、自己効力感を高める教育を設計する。
- レクチャー→実践→振り返り→フィードバックの循環で成長を可視化し、次の一歩へつなぐ。